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2012年5月15日 (火)

思うところを書きます

Sクラスの決勝ヒートが始まる前、ジュニアカデットだと思うのですが、おそらく保護者の方が大声を出してドライバーを蹴っ飛ばしていました。

パパの熱血指導なのは判ります。各チーム・各家庭の事情・やり方はあるとも思います。
でも暴力は良く無いです。また、そうやって蹴って叱ってドライバーに身に付くコトがどれだけあるか、と言われると私は疑問を持ちます。
そして、あからさまな怒号と躾の範疇を超えた暴力は周囲の空気を消沈させます。

このテの、保護者が選手を叱責する場面はだいたいどのスポーツも共通で、

・チャレンジしない
・致命的な失敗する
・お約束を守らない

が主たるものだというのが私の理解です。そして、これらは全て複合的な要素として絡んできますので、どれという特定が難しいです。私が息子を指導したサッカーもレーシングカートもその辺は一緒。
レーシングカートといわずどのスポーツも、その場でカッとなって保護者が選手に手を上げても、明確なルール違反を犯したことをドライバーが自覚している時以外、ドライバーがなぜ叱責されるのかを理解できないケースは結構あると思われます。
そこを感情にまかせて怒鳴っても、ドライバーは理解できていないので、混乱するか反発するか萎縮するかして、ますますドライビングに影響がでるのではないかと考えます。

それより、例えばイケる時にイケなかった場合・ポジションダウンが起こった場合・ローリングスタート時に白線を踏んでしまった場合、をドライバーと話し合い、現状の確認・他車とのベンチマーク・達成するポイントを確認し、それがドライバーに起因する部分なのか、車のセッティングに起因するものなのかを調べ、直していく....とした方が建設的ではないでしょうか?
トヨタ生産方式と一緒ですよね。

今「イケる時にイケなかった」場合を考えてみましょう。
例えば新東京サーキットの2コーナー(左曲がり)入り口で前走車とコーナー左側の間にノーズをねじ込めなかった場合、

・オーバーランするのが怖い
・追突しそうで怖い
・曲がりきれないかもしれない

と、いう心理がドライバーに有るとして、そこに至るまでに

・メインストレートのスピードがもうひと伸び足りない
・ブレーキが甘くてコーナー奥まで車を入れられない
・アンダーステアが出ている

と、いう車に起因する要素が存在して、さらにそこには

・コーナリングのスピードが足りないからストレートでスピードを乗せられない
・ブレーキの踏力が足りない
・フロントに十分に加重を掛けていない

というドライバーの走行技術的な部分に続きます。

いずれも「思い当たる一例」ですが、私の様な者にでも少なくともこういう「なぜ?」が芋づる式に出てきます。
そこを、一つ一つ解きほぐして「こう直そう」もしくは「そうできる様にセットした」とドライバーにアドバイスを与えることで、改善が期待できます。

最後はドライバーの闘志(=チャレンジ)に委ねられるところもあるかもしれませんが、安心してチャレンジできる下地を作るのが、メカニックであり保護者のやれる部分だと思います。

少なくともコースオフィシャルがレース開催中にそういう行き過ぎた指導を見掛けた場合はそのドライバーと保護者(メカニック)に順位降格のペナルティーを与えてもいいんじゃないでしょうか?

私が若かった頃....そうですね、まだ息子がコマーに乗って1年しない頃(30代半はですね)とかは、上に書いていることとはまったく反対で、2度ほど息子を蹴っ飛ばしたことがあります。でも、結局得るものはありませんでした。それどころかドライバーはますます萎縮してしまいました。
シャシーが痛まなくなった、というメリットもありますが、それは私が望んだメリットではありません。

それよりも「ここを直すともっとチャレンジできるよ」とアドバイスすることが少しずつですが結果を出す近道でした。
先日のレースレポートの中で「初めて39秒台に入った」と書きましたが、チームスタッフがGPSで息子とチームメイトの走りを解析しており、モナコヘアピン入口で息子はチームメイトよりもかなり手前から減速を始めていることが指摘されました。
息子は心当たりがあったらしく、モナコヘアピンだけでなく他のコーナーでの空走距離の改善を試みた結果、公式練習時に39.89s/周という息子のペストタイムを刻みました。
もちろん、39秒台が出やすい素地(路面や気温、コースインした位置)はあったでしょうし、他のドライバーからするとまだ全然遅いと思われるかもしれませんが、我々にとっては改善の結果を気合いとか根性とかとは別のもので引き出したことに価値を見出しています。

ドライバーも保護者も、お互い気持ちよく結果を出す。いいことではないでしょうか。

もちろん一発で直らない方が圧倒的に多いし、それを期待するのは難しいです。ドライバーはまだ子供ですもん。
直ったらもう世のジュニアレーサーは即F1行きです。こないだスペインで初優勝したウィリアムズのマルドナド選手なんてメじゃないですよ多分(^^;

でも、ジュニア世代のスポーツを支える(技術的にも経済的にも)のは、やっぱり保護者です。そして保護者の情熱はなにも闘志むき出しにしてドライバーへぶつけるものではなく、ドライバーが気持ちよく走って結果を出せる様に裏打ちしてあげる方に持っていくのが一つの方法ですし、私はそうありたいと思います。

ジュニアドライバーの心の基地は、ピットでもなくトランポでもなく、保護者の心なのですから。

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コメント

 最後の暴力指導に関して…
 その保護者(?)はトシ、幾つ位だったでしょうかね?

 私らより下の世代は基本、親から甘やかされて「親父にも殴られた事無いのに!」世代だったり、子供同士の喧嘩に無暗矢鱈と親が首突っ込んできて「ウチの息子に何すんだ!」的な(「喧嘩両成敗」とかって言葉を知らんのぢゃ無いか? ってな感じの)訳の判らん云い掛かりで怒鳴り込んで来る様な親に育てられてる事が結構あります
 そうなると、基本的に「力の入れ方を覚えない」んですよね…だから「躾」の積りで子供殺したり、「指導」の積りで暴力を振う
 体罰と暴力の区別がつかんから、本当の体罰(躾・指導)をしている人も一括りに暴力教師呼ばわりする
 困ったモンです

 まぁその辺りが判る最後の世代が我々かも知れないので、気付いた事から修正していかにゃならんのかも知れませんね

投稿: 毘沙門天松茸 | 2012年5月15日 (火) 09時49分

→ まったけちゃん

こんにちは。コメントありがとうございます。
経緯が不明なので何とも言いづらいのですが、ひょっとしたら、保護者が指摘したことを何度も繰り返しミスしたのかもしれませんし、他車に迷惑を与える行為をドライバーが行ったのかもしれません。
それでも公衆の面前でジュニアドライバーに手を上げるのはよくないです。
どういう「アドバイス」を与えるにしても与えるに適切な場所があるわけで、少なくともクラスの入れ換えで混雑するパドックエリアで行う行為では無いな~と思った次第。

ちなみに、ウチではドライバーに喝を入れるのはJeriaの仕事です。いつだったかの模擬レースで不甲斐ない走りをした息子は、ピット到着後駆け込んで来たJeriaに本の背表紙でぽこーんとオデコをヒットされておりました(笑)

投稿: いぶき | 2012年5月15日 (火) 13時35分

「褒めて伸ばそう」
うん。
大人でも褒められると伸びる人いるよね。
だからほめてほめて(しっぽをふるわんこみたい)

投稿: 天野恵美 | 2012年5月15日 (火) 16時32分

→ 天野さん

こんにちは。コメントありがとうございます。
ウチの息子は「褒めて伸ばす」ですね、100%。大人もそうですよね。頑張った仕事も「そんなの出来て当たり前だ」、目標に達しなかった案件は「どうしてそんなことも出来ないんだ」と言われ続けたら自分を見失いますよね。
世の中、反骨精神の気概を持っている人ばかりではないのだからコントロールする側はされる側の特性を見極めて最適化したアドバイスをしてほしいものです。

投稿: いぶき | 2012年5月15日 (火) 17時31分

これは、いかんですな。
彼に素晴らしい素質があるのならば、これは彼にとっても競技の世界にとっても、大変残念なことです。


行き過ぎた叱り方は禁物です。
手足を出すのは、表だろうが裏だろうが「もってのほか」。
効果もありません。


ただ、自身及び相手に対する安全への重大なミス・違反なら、怒鳴り散らされても仕方がないでしょう。最悪、命に関わりますので。
でも、手足を出すべきではありません。それは社会のルールでもあり、競技ルールに繋がる「社会の掟」でもありますから。
そういう場合に親としてできるのは、最高のペナルティー・・・即ち活動停止(騎乗停止)を宣告するのが本筋。
また、競技ルールに従ったペナルティーを受け入れさせるのも親の役目でしょう。

以下は、私も思ったことを。


未だ精神論や根性論を振りかざし、怒鳴り殴れば何とかなると思っている「野球的思想」あるいは「相撲的思想」を持つ時代錯誤な馬鹿者には呆れるところです。
この「野球」と「相撲」の両プロはどちらも今では「斜陽産業」でもあり、両者に共通した悪しき点については、Jリーグなどのモダンなプロフェッショナルスポーツの「反面教師」にもなっていることです。


加えて野球に至っては、高校野球部の上級生による下級生への暴力行為や、高校野球指導者の行き過ぎた行為(監督が逮捕された2005年おかやま県内私立高校野球部の「全裸マラソン事件」など)といった不祥事は日常茶飯事ですが、こういった不祥事は本来不要な「根性論」等を振りかざした故の結果なのは目に見えています。
相撲界での暴力事件も、まだ記憶に新しいものです。


私自身は高校時代の部活は無線部でしたので、怒鳴る殴るという場面はあり得ませんが、違反は行政処分、重大な場合は「逮捕」になります。


やってた人ならお判りのとうり、アマチュア無線は免許が必要ですし(従事者と無線局双方)、さらに学校無線部だからといってジュニア世代だけの「競技(コンテスト)」というのは特に無く、申請書類作成等も含め、常に大人と同じルールと場所での活動でした。


さすがに「プロ」とは普段区別されていますが、昨年の大震災のような状況下では非常通信要員にもなり得る訳で、だいぶ他の部活とは、特に学校外の世界と接することが多い「社会」に近いものでもありました。

投稿: 大谷田橋 | 2012年5月15日 (火) 22時58分

→ 大谷田橋さん

こんばんは。コメントありがとうございます。
レーシングカートはモータースポーツなので、またちょっと球技や格闘技と違うところがあるのですけど、選手を指導するのが大抵親御さんだったりするので選手が何かしらのミスを犯すと親御さんのゲンコが飛んで来たりすることもある様です。

昨今の野球・相撲の不祥事に比べればこないだの出来事は些細な部類なのかもしれませんが、発覚当時を見ていたサーキットのスタッフからかなり強く注意されていたので、多分こういうことは当分無いだろうと思っています。

少しレーシングカートから離れます。
根性論についてですが、私は全く不要とは考えていないです。技術的な裏打ちをして実力を底上げし、そこまで手を尽くして最後の一歩の伸びを根性で引っ張り出して勝負を征する、というのはアリだと思っているので。チャレンジとも言いますね。「最後は気持ちだ」っていうのは解る気がします。

ただ昨今の根性論が野蛮と感じるのは、戦略・戦術の練り込みやそれを裏打ちする技術的な底上げを十二分に行う前に気持ちだけで戦わせようとし、負けると敗因の検証ではなく根性が足りないからだと叫ぶ指導者がいるからだと思います。全裸マラソンなんてそのスポーツの技術に全く寄与しないんですけどね。

アマチュア無線ですか。昔々はJJ7UABってコールサイン持っていたのですけど、もう失効しています(^^;
息子のカート活動が一段落したらまた再開したいですね。でもハムもレーシングカートに負けず劣らずお金掛かるんだよなー(^^;

投稿: いぶき | 2012年5月15日 (火) 23時59分

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